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井伊家ゆかりの龍潭寺 [戦国]

奥浜名湖の北、自然豊かな井伊谷に、井伊家の菩提寺である
萬松山龍潭寺があります。
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この井伊谷は、古くは「井の国」とよばれ、清らかな水が豊かに湧き出る所でした。
浜名湖の注ぐ井伊谷川、神宮寺川の沿っての台地には縄文・弥生の遺跡、
古墳が数多く残され、「井の国の大王」が聖水祭祀をつとめたことがうかがわれます。

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寺の南に、井伊氏元祖 共保公出生の井戸があります。
共保公とは、平安時代から戦国時代までの六百年にわたり当地方を治めた
名門井伊氏の元祖です

井伊氏は保元の乱で源義朝に、鎌倉時代には源頼朝に仕え、南北朝時代では
御醍醐天皇皇子、宗良親王を迎え北朝と戦い武勲をなしています。


室町時代、今川氏に仕え「桶狭間の戦い」で戦死をした
井伊家22代直盛の戒名をとり、龍潭寺と寺号を変え、今に至ります。
因みに、再来年
2017年(平成29年)のNHK大河ドラマ、「おんな城主 直虎」の主人公
井伊直虎は、直盛の一人娘で、いったん出家していました。

直盛から家督を継いだ 23代直親が謀殺されると 
井伊家は存続の危機にみまわれ、 直親の遺児の幼い虎松(24代直政)
ただ一人となり、龍潭寺南渓和尚の計らいで 直盛の一人娘が
その後見人として井伊直虎と名乗り、
女領主として 井伊家を支えたという物語です。

井伊家を世に知らしめたのは、戦国時代に、その
24代直政が浜松城主徳川家康に仕え、数々の武勲を建てた事に始まります。

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2歳の時に、父直親が今川氏真により殺され、井伊家に存亡の危機が訪れます。
三河鳳来寺に預けられていた直政は、15歳の時に 家康の家臣となり、
旧武田軍の「赤備」の軍を統率します。

小牧長久手の戦いにて、この赤備部隊が活躍して、井伊の赤鬼と恐れられ、
6万石の大名として 井伊家を再興したのです。

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やがて徳川四天王の筆頭となり、関ヶ原の戦いの勝利に貢献して、
彦根の要所の地に出世をし、そして、幕末に36代井伊大老直弼が
開国の偉業をなしとげるわけです。

龍潭寺は、元祖共保公より40代に到る祖霊を祀る菩提寺として、
歴代当主に深く帰依されて来ました。

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城郭造りをしのばせる石垣。

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階段を上り詰めると正面に禅寺特有の美しい大破風の庫裡が建つ
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本堂
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延宝4年(1676)再建。大檀越 井伊直與公(27代)。
当山七世喝岩和尚代。


鴬張りの廊下

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龍の彫刻(伝左甚五郎作)江戸時代中期 仏殿に使用された蛙股の彫り物

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丈六の仏

木彫寄木造りの釈迦如来坐像で、身丈 2.80m(総丈台座共3.55m)の丈六仏です。
享保14年(1729)9世祖山和尚時代の建立です。
お身体、お顔に残る傷跡は、 廃仏棄釈の際つけられた歴史的痕跡であるといわれます。


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開山堂


本堂西に朱塗りの楼閣造り開山堂があります。
八世徹叟和尚が建立し、開山黙宗瑞淵和尚を祀っています。
塔上に井伊氏の家紋彦根橘、彦根井筒を見ることができます。

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萬松稲荷
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江戸中期、当山九世祖山和尚の夢枕に稲荷大明神が立ち、
この山に住む所がないので
お金を置いておくので祠を立ててくれるように告げ、
枕もとに金三両が置いてあったという。
和尚さんは祠を造り、稲荷大明神を鎮守様として祀り、それ以来、
「夢をかなえてくださる 正夢のいなりさん」と信仰されているそうです。


御霊屋(みたまや)には、井伊家千年にわたる祖霊をお祀りされています。

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ご霊殿の特別公開が行われていました。
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大名であり、造園の名手といわれた小堀遠州作の龍潭寺庭園は、
江戸時代初期に本堂北庭として築かれた池泉鑑賞式庭園です。

中央に守護石、左右に仁王石、正面に礼拝石(坐禅石)が配され、
池の型が心字池となっています。
数多くの石組みと築山全体で鶴亀が表現されている。

岩は、地元で産するチャート岩を使い、明るくすんだ庭で、春のさつき、
秋の満天星と四季折々の変化にも富む名庭です。
昭和11年国指定名勝に指定されました。

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元祖 井伊共保公より24代 井伊直政公までが、境内の墓地にて眠っておられます。

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