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日進市の宗教テーマパークで触れる親鸞聖人の教え【五色園】 [日本仏教史]

今回の記事も、コロナ禍以前に訪れましたストックにて進めます。

龍谷大学卒の私メも!?知らなかった って言い過ぎて御無礼
親鸞聖人の御活躍をダイナミックに紹介する 宗教テーマパークともいえるスポット
【五色園】が、何と、愛知県日進市にありました。

しかも、戦国マニアの聖地【関ヶ原ウオーランド】や【桃太郎神社】
前回ブログにて御紹介の 厄除け大師 等を作られました、
コンクリート人形作家 浅野祥雲先生の作品が並びます。
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名古屋駅から地下鉄東山線で20分、星が丘駅で【五色園】行バス
に乗り換えて終点まで行きます。
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名古屋からわずかの所にこんな田舎が有るんだ! っていう感じの
長閑さ。

入口に、この中で肝だめしをしないでください―と書かれているのが、
何とも気になりますね。

その訳は、少し道を進むと直ぐ解りますよ。

右手の奥のスペースに、円座をした黒衣の僧侶の像が並んでいるのです。
21信行両座-P1130013.JPG
そこは、[信行両座]というエピソードを、人形により表現されています。
15信行両座-P1130015.JPG
親鸞聖人と法然上人が、多くの弟子達を前に、
阿弥陀様の本願を信じ続ける事(信不退)と、念仏を唱え続ける事(行不退)の、
どちらが大事か?と聞いたところ、
多くの弟子は、念仏を唱える事(行)こそが正しいとし、そちらの座に付いた。
24信行両座-P1130019.JPG

そこへ遅れて駆け付けた一人の僧侶が、話を聞いて〔信〕の座に付く。
17信行両座-P1130015-P1130022.JPG
すると、最後に親鸞聖人も法然常任も「信」の座に付いたと云うお話。
23信行両座-P1130021.JPG

コンクリートの塑像で、親鸞聖人の説教を超えて、浄土真宗の教えが
表現されているのではないですか!すごい空間です。

でも、夜に来たら怖いですね。
確かに、肝試しする輩もいて不思議でないですね。

[月見の宴]は、一転して最近塗り直した極彩色。
3月見の宴-P1130004.JPG
これも又、鮮やかだけに日が暮れると妙に怖いかも。
4月見の宴-P1130003.JPG
親鸞聖人は満2歳になっても一言もしゃべらなかったので、
周りがとても心配していましたが、ある十五夜のお月見をしていた時
のお話です。
5月見の宴-P1130010.JPG
父の膝の上に抱かれてじっと月を見ていた親鸞聖人ですが、
いきなり前へ出て両手を合わせて月を拝み「南無仏(なむぶつ)」と
一言発したことで、まわりは一様に驚き、ただの子供ではない!
と喜んだという事です。

この様に、園内到る所に 親鸞聖人の旧跡に関わる石像が見られます。

ここにおわす石像は、妙にリアルな人の大きさに近いのが、
却って違和感を感じるのかも?  それを感じるのが、
[御田植]。
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93御田植P1130045.JPG
こちらは親鸞聖人が田舎で田植えをしながら念仏を唱えているという場面。

実は、この奥に[親鸞聖人ご流罪]の旧跡にまつわる石像がある筈。
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聖人は、住蓮房、安楽房の両僧が官女、松虫・鈴虫を尼にした科を事縁として、
越後に五ヵ年の御流罪になっておられます。
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山道を分けて進むも見つからず。〈マムシ注意〉の看板に臆して断念。

その、原因となった [鈴虫松虫の剃髪得度] が 私メの一押し。
法然上人の弟子、住蓮と安楽は鹿ケ谷の草庵において声明念仏という
御法事を営み、二人の声は先を急ぐ人も思わず足を止め聞き入ってしまう程
であり、そこを通りかかった
院御所女房の鈴虫と松虫も深い感動をおぼえ、後鳥羽上皇の留守中に抜け出し、
鹿ケ谷の声明念仏に結縁し尼となったのです。
このことを知った上皇は烈火のごとく怒り、念仏停止の裁断を下したのです。
114鹿ケ谷鈴虫松虫の剃髪得度P1130084.JPG
115月鹿ケ谷鈴虫松虫の剃髪得度P1130087-P1130093.JPG
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そして、[肉付きの面]
この話は、幼い頃から祖母がよく話して聞かせてくれ、印象に残っています。

蓮如上人が、越前の国 吉崎において御教化されている頃、
少し離れた金津という所に住む与惣次夫婦は、共に念仏の信者であり、
毎夜の様にお参りに出掛けていました。
老婆はその事が気に入らず、二人を脅かして吉崎通いを止めさせ様と、
或る晩、老婆は鬼の面を被り暗がりで待ち構えました。
先にやってきた嫁を脅かす事に成功するも、鬼の面が顔に食い込み外れません。
老婆は声を上げて泣き始め、話を聞いた息子は直ぐに嫁とともに吉崎へ戻り、
蓮如上人より御仏の教えを頂き、老婆は手を合わせ念仏を唱えました。
すると、不思議な事に鬼の面はポロリと取れて落ちました。
しかしその面には無理に引き剥がそうとした為、
顔の肉の一部がこびり付いていたのでした―というお話。
109肉付きの面P1130088.JPG
111肉付きの面P1130089.JPG

ここまでくると、有難い話とはいえ、ホラーの様にも…失礼しました

話として、印象深いのは [身代わりの名号]
38身代りの名号P1130024.JPG 
常陸の国、川和田に住む平次郎は大の仏法嫌いで邪険な男。
その妻おすわは親鸞聖人の教えを熱心に聞き求める信心家でした。
平次郎がおすわが法話に参詣する度に暴力を振るう為、
聖人はおすわに十字の名号を書き与え、法話に参詣しなくても
それに礼拝するよう伝えました。
平次郎に見られない様にしてこっそり名号に礼拝していたところ、
妻が浮気をしているのではないか?と激情して刃を振りかざして
部屋に怒鳴り込みます。
懐に隠した名号を、男からの艶文と思った平次郎は逆上して
おすわを切り殺してしまう。
そして血に染まったおすわの体を古菰に包み裏の竹藪に埋めて
家に取って返すと、
殺した筈のおすわが何食わぬ顔をして部屋の中にいます。
青くなった平次郎は事の次第をおすわに話すと二人で竹藪に急ぐと、
血に染まった名号が「帰命」の二字より真っ二つになって出てきました。
41身代りの名号P1130027.JPG
二人は余りの事に涙を浮かべて地にひれ伏し念仏を唱えました。
そしてその足で稲田に向かい親鸞聖人に事の顛末を話すと、
聖人は阿弥陀仏の本願をねんごろに説かれ、
平次郎も念仏の行者となりました。
という話です。いかにも、逸話という感じで好きです。

[桜ヶ池大蛇入定由来]
48桜ヶ池大蛇入定の由来-P1130032.JPG 
肥後の国の光円阿門梨は弥勒菩薩の御出世を待つために、
遠州桜ヶ池に入定されたとあります。
比叡山の学頭聴として名声四方に聞こえた阿門梨も、未来の問題が悩み、
満足できる生身の仏がない以上、弥勒菩薩の御出世に会いたいが、
寿命に限りがあるため、動物の中で最も長寿という。
大蛇になって入定して、未来の弥勒菩薩を待つ―この発願の
ために見出されたのが桜ヶ池であります。
そこで阿門梨は池の水を比叡山に持ち帰り、六年の苦行の結果その一念は
桜ヶ池に飛び大蛇と化して入定させられたのでした。
これを聞いた法然上人は嘆き、如何にしてでも我が悟る所の他力の要路を、
師阿門梨に告げたいものと池の面を尋ねられました。すると一天にわかに
掻き曇り、雷鳴しきりに鳴り渡り、千尋もある大蛇が現れました。
法然上人は、他力の教法についてねんごろに説かれましたが、
時既に遅しと大蛇は嘆き、両眼から涙を流します。
入定の時、苦行に耐えて貴方の御出世を待ちますから済度の幸せを賜れとの
弥勒菩薩への誓いは捨てられぬと、さめざめ嘆きながら水底へ帰られました。
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[赤山明神貴婦人解逅] 
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親鸞聖人26歳の時、都からの帰路、比叡山麓にある赤山禅院にお参りされた時の事。
聖人が神前で静かに念誦していると、陰から美しい女性が現れました。
そして聖人が比叡山に帰る事を知ると「私も参詣したいと思っておりましたので、
どうかご一緒させていただけないでしょうか。」と懇願しました。
しかし聖人は「比叡山は、舎那円頓の峰高く、止観三密の谷深く、
女性は入山することができないのです。法華経にも女性は垢穢にして、
仏法の器に非ずと説いております。それ故、伝教大師も結界の地と定めたのです」
と答えて入山できないことをお説きになりました。
それを聞いた女性は
「たしかに女性は五障三従のさわりがあり成仏できないといわれています。
男女の別はありますが、女人だけを除いてはたして真実の悟りに達することが
できるでしょうか」と嘆き、
「どうか貴僧は、末世の女人の善知識となって御仏の慈悲が届くように
お力添えをお願い申し上げます」と言って
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袖から白絹に包んだ玉を取り出し聖人に差し出しました。
「これは、闇夜を照らす玉です。なにとぞ御仏の教えを低く卑しい谷に下して、
あらゆる人々を導いてください」と言うと、女性の姿は消えてしまいました。
31赤山明神貴婦人解逅P1130113.JPG



お墓の向かいにあるのはこちらの像。
「日野座衛門門前石枕」という題名です。
130日野左衛門門前石枕P1130094.JPG
野左衛門尉頼秋は常陸の国に流刑になり、その後 自由の身となっても
生来の人間不信が流罪後それは一層強まり「信じられるものは銭しかない」
と うそぶく様になっていました。
ある年の晩秋、左衛門は借金の取立てに廻りましたが、逆にことごとく
延済を申し込まれたことに腹を立て女房に当り散らしているところに、
布教途中の親鸞聖人が一夜の宿を求められましたが、荒んだ心の左衛門は
無下に断ったのでした。やむなく聖人は、冷え込んで雪になっているのに、
軒先で夜を明かす事にしました。
 
聖人は門前の石を枕として横になりましたが、雪は次第に吹雪となって全身
を包みます。親鸞聖人は身体を横たえながら念仏を繰り返し唱えました。
夜半、左衛門の夢枕に観音菩薩が現れ「左衛門、なんじ知らずや、
いま門前に阿弥陀如来が泊まらせたまうぞ。早く教化をこおむるべし」
と告げられました。このお告げに驚いた左衛門は飛び起きて家を出てみました。

するとそこに映るのは吹雪のなか一心に念仏を唱える親鸞聖人のお姿でした。
慌てた左衛門は平身低頭無礼を詫び、親鸞聖人を家へ迎え入れこれまでの悪行
を全て告白しました。親鸞聖人は「私たちは悪いことばかりしています。
人を憎み呪いもします。だが、汚れきった心であっても信じる心だけは
誰にでもあるもの。その心こそが永遠にかがやく仏の光なのです」
とねんごろに御仏のご慈悲をお話になりました。

阿弥陀仏の本願を知らされた左衛門はその夜のうちに親鸞聖人のお弟子
となり、法名を入西房道円と名付けられました。
その後道円は念仏道場を開き、石を枕に念仏する親鸞の姿を重ねそこを
枕石寺と名付けました。
133日野左衛門門前石枕P1130099.JPG
これらの像はお寺の前で石を枕にして念仏を唱えながら
猛吹雪の中、眠る親鸞とその弟子たちを再現したもの。
138日野左衛門門前石枕P1130098.JPG
139日野左衛門門前石枕P1130097.JPG



◇コンクリート人形作家 浅野祥雲先生の作品

熱海城・シャチホコ(静岡県熱海市)
関ヶ原ウォーランド(岐阜県関ケ原町)
https://gifu-sengoku.blog.ss-blog.jp/2019-02-12
桃太郎神社(愛知県犬山市)
https://ma35-main.blog.ss-blog.jp/2018-11-28
五色園(愛知県日進市)
岩崎御嶽社(愛知県日進市)
中之院 軍人像群(愛知県南知多町)
厄除弘法大師(愛知県尾張旭市)
https://gifu-sengoku.blog.ss-blog.jp/2020-05-19
春日井駅前・弘法大師像(愛知県春日井市)
久国寺・護国観音像(愛知県名古屋市)
圓通寺・毘沙門天像(愛知県名古屋市)
https://ma35-main.blog.ss-blog.jp/2018-09-25



https://public.muragon.com/utd6333f/p0zievs0.png?1592818374000




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https://ma-35.blog.ss-blog.jp/2020-04-29



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https://ma-35.blog.ss-blog.jp/2019-10-29 [夢21・2019年 12月号]



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月刊からだにいいこと 2019年 5月号 [ゴロゴロ筋ツイスト] が掲載されました。


拙著の骨盤と肋骨の筋ツイストが基になっています。


https://ma-35.blog.ss-blog.jp/2019-02-07 [からだにいいこと 2019 5月号]



自然といっしょにvol.139 2018年10月号 [セルフ筋ツイスト]が掲載されました



https://ma-35.blog.ss-blog.jp/2018-09-20 [自然といっしょに 2018年10月号vol.139]


筋ツイスト-からこと自然DSC_0632.JPG




岐阜市の昭和表紙DSC_0444.JPG


2019年6月27日刊行 『岐阜市の昭和』(写真アルバム) ご覧下さいませ


[岐阜市の昭和]に6枚提供の写真が掲載されました 

https://ma35-main.blog.ss-blog.jp/2019-06-15

https://ma35-main.blog.ss-blog.jp/2019-06-25






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