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蟹薬師 願興寺と御嵩宿 [パワースポット 古い町並み]

2013年9月15日の【中日新聞】さん[岐阜の論点] 〝どうなってる?〟にて、
[名鉄広見線 新可児―御嵩間の存廃問題]を読みまして、この路線が
客数減少による赤字により、廃線の危機に瀕している事を知り、
以前から行きたかった、
〈願興寺さんと 御嵩宿〉、そして〈隠れキリシタン〉の史跡
を観る為に訪れてみました。

先ず、名鉄犬山線で犬山駅にて広見線に乗り換えて新可児駅まで行きます。
新可児までは、名古屋の企業に通勤する乗客が多いという事で、
ここから御嵩までが、存廃問題が論じられている区間です。

2007年には、広見線の支線であった八百津線(明智-八百津)が、
廃止になっています。
確かに、車窓から見る景色が 新可児を過ぎると、
急に長閑になり、何となく懐かしい匂いが漂ってきます。

顔戸駅を過ぎると、車掌さんが切符を集めに来られました。 
どうやら、御嵩駅は無人の様です。
我々の乗ってきた電車は、また新可児駅行きになります。
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御嵩駅を降りると、すぐ隣が 蟹薬師 願興寺です。
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大抵の有名なお寺は、
駅から遠く、バスなどの公共交通機関で行けない所も多い中で
これは魅力ですね!

815年に、この地を訪れた最澄が、疫病に苦しむ人々の為に、
布施屋を建て、薬師如来像を安置されたのが始まりだそうです。

南西にある尼ケ池が金色の光を放ち、
池の中から蟹に乗った薬師如来が現れ、
これより、蟹薬師と呼ばれる様になったそうです。

998年に 一条天皇の勅願により、七堂伽藍が整備され、
大寺山 願興寺と名付けられました。
二度の消失後、1581年に再建された本堂は、
現在、国重文に指定されています。
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本堂は、四方から本尊を遙拝できる 四周一間通り
と呼ばれる様式の 珍しい建築物です。
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境内には、県重文の 鐘楼門などの建物が建っています。
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願興寺の霊宝殿には、
薬師如来坐像・両脇侍蔵像、阿弥陀如来立像、釈迦如来坐像・
両脇侍蔵像・四天王立像、十二神将立像などの仏像が安置され、
国の重文の文化財の宝庫です。
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鎌倉時代の大般若波羅密多強六百巻や転生年間の銘がある鰐口など
その他の文化財も多く、「東美濃の正倉院」とも呼ばれているそうです。
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12年に一度子年の4月1日のみの御開帳の秘仏 
本尊の薬師如来坐像を除いては、
電話予約にて拝観可能との事です。
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境内は広く、古木・名木が生い茂り、
手入れや掃除をされる方が作業をされていました。

ケヤキの名木
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シラカシの名木
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願興寺の隣、かつての脇本陣跡に中山道みたけ館(入館無料)があります。
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2階の郷土館に、原始時代―赤塚古墳出土の三角縁変形神獣鏡、
丸子根遺跡出土の両頭石棒、天神ヶ森古墳出土の勾玉(県重文)、
古代寺院の瓦、中世の御嵩町の5つある城址、
御嵩町の中世荘園の存在を伝える春日神社の官宣旨(県重文)、
近世御嶽宿の伝馬掟朱印状、御嶽宿本陣間取図、
大名食の再現などの展示がされています。

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とくに私が見たかったものは、隠れキリシタンの信仰を伝える展示品です。

徳川家光の時代にキリスト教が禁止され、この地域に多かったキリシタンの
捕縛が行われたそうです。

可児の塩地区には、
寺受け制度による宗門改めの受け皿となっていた甘露寺があり、境内に
キリシタンの取り調べの記帳のために使われた硯石が残っています。

その近くにさすり地蔵と云う 十字架が刻まれた仏様があり、
信者はさすって礼拝したと云われ、多くの隠れキリシタンの存在を示します。

1981年、御嵩町にて、道路工事現場からキリシタンの遺物が発見され、
謡坂(うとうざか)にて十字架陰刻碑が出土し、現在マリア像が祀られています。

隣接する小原からも、十字架が刻まれた碑の他、神社の拝殿にて拝まれた十字架碑、
マリア像が木に埋め込まれたものなど 弾圧から逃れる細工が施された信仰遺品が
展示されています。

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御嵩は、
かつて中山道69次の49番目の宿場町、願興寺の門前町として繁栄しました。
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みたけ館の東に本陣野呂家があり、その分家の商家竹屋が、
資料館として無料公開されています。
竹屋は、江戸末期からの豪商で、主屋は明治10年頃の建築ですが、
商家に相応しい質素で風格のある江戸の建築様式が色濃く残されております。

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表座敷と奥中の間にある 欄間の豪華さに目が留まります。
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主屋と縁で結ばれ中庭に面する、木造平屋建て柿葺きの茶室も、
主屋と共に、御嵩町指定の文化財に指定されています。
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切妻2階建ての土蔵は大正年間に建てられ、調度品が収納されています。
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帰りにお土産として、入り口で売っていた、ささゆりクッキーを3袋買いました。
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現在、宿場の面影は、古い軒並み数軒と、かぎ型に曲がった道に
偲ばれるのみですが、宿場町を整備して、
当時の面影を伝えようという 心意気を感じます。
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古いお寺と古い町並み、隠れキリシタンと、個性的なのんびりした町です。

ぶらっと御嵩行の電車で行ってみてくださいね。
あと、B級グルメとか、名物料理の店がいくつかあると良いですね。

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何年か後にも、電車で訪れてみたいものです。







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