石積みの町 坂本の里坊 滋賀門跡寺院 [パワースポット 古い町並み]
叡山の麓にある坂本は、ゆかしい町並みを残す比叡山延暦寺の門前町です。
清冽な水を湛える水路がめぐり、穴太(あのう)積みの石垣が連なる
美しい町並みを 歩いていきます。
穴太積みとは自然石の組み合わせのみで強固な石垣を詰め合わせる
石積み法で、小石を詰め石として使うのが特徴です。
坂本の町並みには多くの里坊が残っています。
高齢となった叡山僧の隠居所で、
美しい庭を持ち落ち着いた風情ある建物が多く残されています。
里坊は最も多い時には90程あったとされますが、そのうち54ヶ寺が現存します。
滋賀院門跡は、天台宗比叡山延暦寺の里坊を代表する門跡寺院です。
近年、年中無休で一般公開されるようになったそうです。
普段は開けられる事の無い勅使門です。
滋賀院は延暦寺の本坊で、江戸時代まで天台座主の居所だったため、
現在でも滋賀院門跡と呼ばれています。
堂々とした穴太積みの石垣の上に白壁をめぐらした優雅な構えは、
滋賀院御殿と呼ぶにふさわしい風格を感じます。
玄関を入ると桃山時代の唐人絵のお出迎えです。
丸山応挙屏風
白犬三匹、黒犬三匹の 六匹の仔犬が描かれています。
正面を向いている犬は度方向から見ても、見るものを見つめるように
描かれている応挙特有のトリックアートです。
展示品の中で特に印象的だったのは、
延暦寺の根本中堂にある「不滅の灯明」と同じものです。
寺の方々によって炎は絶えることなく受け継がれております。
このご灯明は、油皿に灯芯を入れ灯している為、油を絶やすと消えてしまうので
「油断大敵」という諺が生まれたとか。
宸殿の見どころの一つとしては、狩野派の画家・渡辺了慶の襖絵があります。
宸殿の各部屋は各々の襖絵から、上の間は「羅漢の間」、次の間は「梅の間」と
呼ばれていて、ここには、伝教大師のお言葉「忘己利他(もりこうた」の掛け軸や、
法華経からの法語が書かれた大額が架けられています。
また「羅漢の間」の奥には「座主接見の間」があり、
天台座主の公式儀式や接見は全てこの間で行われました。
一段と高い上段の間があり、厳かな雰囲気が漂います。
また昭和初期の里坊での暮らしを再現した「里坊・老僧の間」からは、
里坊内で生活の様子が窺えます。
宸殿から階段を登ると、内仏殿になり、
本尊の薬師如来、両脇に天台・伝教両大師 を祀っています。
また奥殿には
後陽成、後水尾、明治の各天皇、徳川歴代将軍や歴代天台座主の位牌が
祀られています。
また、二階書院は六室からなり、桃山時代の桜の障壁画等で彩られています。
天海大僧正着用の鎧兜、織田信長と徳川10代将軍家治が
寄進した大馨子(だいけいす)等の寺宝も展示されています。
宸殿の西側には、将軍家光の命により小堀遠州が作庭したとも伝えられる、
江戸初期の池泉観賞式庭園があります。
比叡山から流れ出る権現川の水を取り入れた総面積約452㎡の
細長い蓬莱山様式の庭園で、左に亀島、右に三尊石仏形式の滝石で鶴石組を表し、
中央に長さ約5mの切石の石橋が架けられて池庭を引き締めています。
滋賀院門跡は、風格ある外観に反して、ご住職が丁寧に案内して下さり、
門跡寺院としては珍しく、内部や宝物の撮影も許可して頂けるのが有難いです。
京都の寺院にない親しみやすさを感じながら、ゆっくり見て回れました。
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☆2015/12/11 私の初めての著書が出版されます。
応援よろしくお願いします
「指ではじくだけで肩の痛みが治る!-江戸の秘術から生まれた凄ワザ」
江戸時代の按摩術が、現代人の症状によく効く事を紹介した本です。
どうぞ 皆様、よろしくお願い申し上げますm(__)m
清冽な水を湛える水路がめぐり、穴太(あのう)積みの石垣が連なる
美しい町並みを 歩いていきます。
穴太積みとは自然石の組み合わせのみで強固な石垣を詰め合わせる
石積み法で、小石を詰め石として使うのが特徴です。
坂本の町並みには多くの里坊が残っています。
高齢となった叡山僧の隠居所で、
美しい庭を持ち落ち着いた風情ある建物が多く残されています。
里坊は最も多い時には90程あったとされますが、そのうち54ヶ寺が現存します。
滋賀院門跡は、天台宗比叡山延暦寺の里坊を代表する門跡寺院です。
近年、年中無休で一般公開されるようになったそうです。
普段は開けられる事の無い勅使門です。
滋賀院は延暦寺の本坊で、江戸時代まで天台座主の居所だったため、
現在でも滋賀院門跡と呼ばれています。
堂々とした穴太積みの石垣の上に白壁をめぐらした優雅な構えは、
滋賀院御殿と呼ぶにふさわしい風格を感じます。
玄関を入ると桃山時代の唐人絵のお出迎えです。
丸山応挙屏風
白犬三匹、黒犬三匹の 六匹の仔犬が描かれています。
正面を向いている犬は度方向から見ても、見るものを見つめるように
描かれている応挙特有のトリックアートです。
展示品の中で特に印象的だったのは、
延暦寺の根本中堂にある「不滅の灯明」と同じものです。
寺の方々によって炎は絶えることなく受け継がれております。
このご灯明は、油皿に灯芯を入れ灯している為、油を絶やすと消えてしまうので
「油断大敵」という諺が生まれたとか。
宸殿の見どころの一つとしては、狩野派の画家・渡辺了慶の襖絵があります。
宸殿の各部屋は各々の襖絵から、上の間は「羅漢の間」、次の間は「梅の間」と
呼ばれていて、ここには、伝教大師のお言葉「忘己利他(もりこうた」の掛け軸や、
法華経からの法語が書かれた大額が架けられています。
また「羅漢の間」の奥には「座主接見の間」があり、
天台座主の公式儀式や接見は全てこの間で行われました。
一段と高い上段の間があり、厳かな雰囲気が漂います。
また昭和初期の里坊での暮らしを再現した「里坊・老僧の間」からは、
里坊内で生活の様子が窺えます。
宸殿から階段を登ると、内仏殿になり、
本尊の薬師如来、両脇に天台・伝教両大師 を祀っています。
また奥殿には
後陽成、後水尾、明治の各天皇、徳川歴代将軍や歴代天台座主の位牌が
祀られています。
また、二階書院は六室からなり、桃山時代の桜の障壁画等で彩られています。
天海大僧正着用の鎧兜、織田信長と徳川10代将軍家治が
寄進した大馨子(だいけいす)等の寺宝も展示されています。
宸殿の西側には、将軍家光の命により小堀遠州が作庭したとも伝えられる、
江戸初期の池泉観賞式庭園があります。
比叡山から流れ出る権現川の水を取り入れた総面積約452㎡の
細長い蓬莱山様式の庭園で、左に亀島、右に三尊石仏形式の滝石で鶴石組を表し、
中央に長さ約5mの切石の石橋が架けられて池庭を引き締めています。
滋賀院門跡は、風格ある外観に反して、ご住職が丁寧に案内して下さり、
門跡寺院としては珍しく、内部や宝物の撮影も許可して頂けるのが有難いです。
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