SSブログ

井波瑞泉寺と 木の温もり感じる 素敵な門前町 [街並み]

涼しさを求めて参加しました 
黒部峡谷鉄道のトロッコ・立山室堂を巡るツアー の帰りに、
南砺市井波にある 井波別院瑞泉寺に立ち寄りました。

瑞泉寺は、北陸随一の 浄土真宗東本願寺派別院と云うよりは、
欄間などの彫刻で有名な井波彫刻の粋を集めた寺院建築と、
約350人の彫刻師が作業する井波彫刻の工房や
土産物屋の並んだ八日町通りと云われる門前町が有名です。

370.JPG

最近では、旅番組やサスペンスの舞台としてもよく登場しますね。

井波は、瑞泉寺の門前町として栄え、600余年の歴史を有していますが、
明徳元年(1390)の創建以来、幾度もの災火により、本堂・諸堂が消失し、
再建されましたが、その時に、京都・金沢から優れた棟梁が派遣されたのです。

特に、天正9年(1581)に織田信長配下の佐々成政によってこの地は奪われ、
瑞泉寺と井波町家はことごとく焼き払われてしまいましたが、
加賀初代藩主前田利家の勧めで瑞泉寺8代准秀が井波に帰り、
瑞泉寺復興に乗り出し、万治3年(1660)本堂が再建されたのです。

その再建の時の堂棟建築の技法が、井波彫刻の始まりと云われているそうです。

宝暦年間(1751~64)以降の再建では、井波の大工十人衆が活躍し、
これらの棟梁が彫刻師として各地に出向き、井波彫刻の名を高めました。

特に、番匠屋9代目田村七左衛門は井波彫刻の元祖といわれ、名を残しています。

さて、バスは駐車場に止まり、ここから瑞泉寺に向けて 
八日町通りと云う門前町を歩きます。
362.JPG

365.JPG

バス車中からも数点の彫刻を眺めて、(凄いなぁ~) と思って
見とれていましたが、到着早々、目に飛び込んでくる全てに、
彫刻の町のプライトと 職人さんの心意気を感じます。

DSC_0148.JPG


この辺りには、商店の看板や家の表札は勿論、
公共施設やバス停、公衆電話ボックス、
街路灯、禁煙[禁煙]などの表記から 
各種案内表示に至るまで、趣向を凝らせた木彫りが施してあります。

ガードレール

367.JPG

バス停  

381.JPG

当主の干支が彫られた表札

383.JPG

公衆電話ボックス

382.JPG



368.JPG

八日町通りの石畳の緩やかな坂道の両側には、
造り酒屋、民芸品や木彫りの店などの古い伝統的な町家が連なっています。

木彫りの作品で溢れた街並みが、石畳の路にマッチして、
とても良い雰囲気を醸し出しています。
民家・商家は、切妻造りで千本格子と白壁の趣のある造りで、
屋根には雪国ならではの工夫もされているとか。

石畳の古い町並み
DSC_0149.JPG

木彫り工房
DSC_0161.JPG

造り酒屋
DSC_0150.JPG

井波美術館前の標識
DSC_0159.JPG

町並みの最奥に、北陸随一の大伽藍を誇る 瑞泉寺の山門が見えてきます。
その姿は、豪壮で重量感のあるもので、見る者を圧倒します。

379.JPG

瑞泉寺の山門は左右に山廊を持つ禅宗様式を取り入れ、
総欅 造りの重層伽藍入り母屋造です。 

371.JPG
宝暦12年(1762)の火災で大門を含め諸伽藍が焼失し、
山門は天明5年(1785)の釿始。
本山の御用大工肝煎であった柴田新八郎が棟梁となって
再建が開始されました。

しかし、柴田は本山―東本願寺 が天明8年(1788)に全焼した為に
再建のために京都に帰ったため、柴田のあとを受け継ぎ 
井波大工松井角平が棟梁として文化6年(1809)に上棟式を行うなど
完成させました。

山門前面の唐戸上の龍は文化2年京都の匠、
前川三四郎によって彫られ、京都より船で送られてきたといわれます。

376.JPG

明治末期の火難を免れたのは、この龍が井戸より水を噴き上げて、
火を消したと云われ、今も古井戸と昇竜の松が残っています。

さらに、その他の彫刻は、井波の大工の手により制作され、
山門内上の蟇股には、中国の故事にまつわる仙人が彫られております。

山門は昭和40年に県指定の文化財に指定されました。

山門をくぐると、正面に北陸最大の木造建築と云われる本堂、その左側に
井波彫刻の粋を集めて建てられた太子堂が優雅な姿を見せています。

瑞泉寺の太子堂は、大正7年(1918)に至り再建されたもので、
後小松天皇から下賜されたと伝わる 二歳の聖徳太子像が安置されています。
ここには光背の籠彫り彫刻はじめ、建物内外の側面を飾る蟇股彫刻など
数多くの井波彫刻の粋を集めた建物として有名です。

太子堂で左端の建物が宝物殿

375.JPG

本堂は、宝暦12年(1762)の大火後、明治18年(1886)に再建されたものです。
間口46m、奥行43mの単層入母屋造で、畳の数450畳で、
大きさは全国で4番目と云われます。

本堂に上がり、拝観させていただき、ご住職の御話を聞きます。
涼しい別天地、立山や黒部から下りてきて、その暑さにウンザリでしたが、
本堂内は 涼しい風が抜け、何とかお話を聞く態勢が取れました。

373.JPG

ご住職は、思ったよりお若く、瑞泉寺は浄土真宗東本願寺派の別院で、
本願寺5代綽如上人によって開かれましたという由来の話。

真宗王国富山の 大伽藍をもち、東本願寺 東大寺 西本願寺に次ぐ
大きさの本堂である説明。

本堂内には、御本尊の阿弥陀如来さま、
両脇壇には宗祖親鸞聖人の御影と先門主御影
右余間壇には、建立の勅願をされた後小松天皇の尊牌を安置している旨。

そして、度重なる大火の為、建物が消失する度、
再建時に井波の彫刻技術の粋を集めて、建物に彫刻が施された話をされ、
「宝物館拝観の後、必ず勅使門の彫刻を見て帰って下さい」
と結ばれました。

渡り廊下を渡って、宝物殿に移動し、お志をお供えして、
見せて頂きました。
(国指定重要文化財)紙本墨書綽如上人勧進状、紙本墨書
後花園天皇宸翰御消息の他、
蓮如上人御絵伝 蓮祐尼御影、親鸞聖人絵図、蓮如上人御影
等が収蔵・展示されています。

家の宗派が真宗東本願寺派で、龍谷大学卒の私にとりましては、
感慨ひとしおでした。

ご住職のお勧めの勅使門は、山門の横にあり、
式台門と言う名称が書かれていました。菊の門とも云われます。

377.JPG

寛政4年(1792)に建てられ、
2005年の大法要で200年前の状態に復元されました。
小脇に井波彫刻の元祖番匠屋七左衛門作の「獅子の子落し」
の彫刻などがあります。

中国の
「獅子は我が子を千尋の谷に落とし、這い上がって来る子供だけを育てる」
という故事に倣ったもので、井波彫刻初期の最高傑作と云われています。
378.JPG

帰りには、福光の煎餅屋「ささら屋」さんで煎餅 の
お買いものと 手焼き体験をしました。

392.JPG

富山土産「しろえびせんべい」を自分で焼けます。
熱々に焼けたせんべいを醤油たれの壷にいれると、ジューと音がして、
自分で焼い焼きたての煎餅を食べれました。
富山の米の味としろえびの風味を味わう事が出来ます。

385.JPG

387.JPG

白えびせんべい、ほたるいか沖漬風味あられ、揚げ生姜、
ハニーアーモンド、トマトあられ等
ちょっと変わった おかきや煎餅が揃っていて 
お土産にたくさん買い込みました。

変わり種としては、しろえびせんべいを細かくミキサーで挽いて粉状にして
バニラアイスに混ぜたしろえびソフトクリームがあります。
スプーンの代わりにしろえびせんべいをトッピングしてあり、
煎餅で掬いながら食べるのだそうです。
今度来た時に挑戦しようかな!

いっぷく処では、えびせんべいの試食が置いてあり、
日替わりの薬草をブレンドした健康茶やソフトドリンクと共に 
無料で楽しめました。
この日の日替わり試食は、しろえびせんべい 黒こしょう味でした。

389.JPG

帰路に付く前の、ゆったりした一時が過ごせました。











にほんブログ村





にほんブログ村





にほんブログ村








☆2015/12/11 私の初めての著書が出版されます。
応援よろしくお願いします 「指ではじくだけで肩の痛みが治る!-江戸の秘術から生まれた凄ワザ」 江戸時代の按摩術が、現代人の症状によく効く事を紹介した本です。
指ではじくだけで肩の痛みが治る!―江戸の秘術から生まれた凄ワザ

指ではじくだけで肩の痛みが治る!―江戸の秘術から生まれた凄ワザ

  • 作者: 福富章
  • 出版社/メーカー: 自由国民社
  • 発売日: 2015/12/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
どうぞ 皆様、よろしくお願い申し上げますm(__)m

nice!(1) 
共通テーマ:旅行

nice! 1

nice!の受付は締め切りました