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大雲院 祇園閣と 六道珍皇寺 ―夏の文化財特別公開にて― [パワースポット]

7月13日から9月30日まで 
「京の夏の旅―文化財特別公開」が行われており、
普段見学できない文化財の特別公開がされています。

ボランティアのガイドさんの丁寧な解説付きで、
一箇所600円の拝観・見学料金となっています。

今回はその中から 東山界隈の 六道珍皇寺さんと 大雲院さんを拝観しました。

六道珍皇寺は、前回ブログ https://gifu-sengoku.blog.ss-blog.jp/2013-06-26
に書いた時には、拝観が出来なかったので
外から 格子越しに眺めただけでしたので、そのリベンジと云った感じです。

大雲院の祇園閣は、祇園・円山公園辺りを散歩するたびに、
その瀟洒な建物が目につき、
何だろうか?と興味を持っていた建物なのです。

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六道珍皇寺さんは、あの世とこの世の分岐点 〈六道の辻〉に佇む
平安時代創建の古刹です。

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まず本堂に上がって、今から1200年前に慶俊僧都により開基し、
臨済宗建仁寺派に改宗する経緯、六道珍皇寺辺りが 
亡骸を鳥辺山に送る野辺の送りをした地であった為、
六道の辻に当ると考えられ、六道まいりの寺として知られる旨、
小野の篁のあの世とこの世を往還したという伝説、境内の説明を受けます。

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本堂には、京仏師中西祥雲氏作の薬師三尊像が安置されていますが、
平安時代作の優しいお顔の本尊薬師如来坐像は、重要文化財保存の為、
収蔵庫に安置され、後ほど拝観できるとの事。

本堂の中を見て回ると、六道珍皇寺の鬼門除けには、
真猿(魔去る)が御幣を担ぎ、烏帽子姿で その方向と冥土に通ずる井戸
をしっかりと見張っています。

また、本堂の仏間の欄間は千体地蔵様で埋め尽くされ、地蔵浄土の有様が
表現されており 圧巻です。

その後、本堂の傍らにて、熊野観心十界図を見せて頂きながら解説を聞きます。

「熊野観心十界図」は、もとは熊野系の比丘尼(びくに)が、
「絵解き」をするのに用いたもので、全体を上下二段に分け、
上段には人の一生が表現され、下段には地獄・飢餓・畜生・阿修羅の
四界が描かれています。

人はその死後、因果応報により 
地獄道・飢餓道・畜生道・阿修羅道・人道・天道
を輪廻するという「六道」が解かれています。
朱色を主体とした色づかい や 繊細な描写は、
見て取る事が出来ます。

続いて、床の間の幽霊画の掛け軸も観させていただきました。

その後、いよいよ 本堂裏の庭に移動して、
小野の篁が冥土通いに使った 冥土の入り口の井戸と、
冥土よりの帰路に使ったと云われる「黄泉がえりの井戸」
の説明を受けた後、本堂より、井戸の撮影が出来ます。

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その後、庭に降りて井戸の中を覗く事が出来ます。
さて、井戸の中は??
黄泉がえりの井戸は、近年近隣の民有地から見つかっており、
寺の裏に回ると新しく作られた門があります。

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井戸の傍には、小野の篁公の念持仏を祀った竹林大明神や 
小野愛宕大権現の祠があります。
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篁・閻魔堂も、この日は扉が開けられて、そのお姿を拝む事が出来、
その隣の薬師堂の御本尊の 穏やかなお姿も拝む事が出来ました。

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冥土まで届くと云われる「迎え鐘」は、鐘を突くのでなくて縄を引く事で
鐘の音が地の底に響く。
お盆には、この音色にて、多くの精霊を迎え入れる<六道まいり>
が行われるのです。

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大雲院は、円山公園に隣接する場所にあります。


本堂内の ご本尊さまの前で、ボランティアガイドの方の説明を聞きます。

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御本尊は江戸期作の尺六の阿弥陀如来像で、
本尊内部に 創建当時の作と云われる
桃山期の阿弥陀如来像が収められているそうです。

天正5年(1587)正親町天皇の勅命により、
織田信長、信忠父子の菩提を弔う 御池御所
を賜って、信忠公の法名の大雲院を号とし、以来 その地に
伽藍を擁していたが、商業繁華街となった為、高島屋にその地を譲り、
昭和48年に祇園閣のある今の地に移転したそうです。

そのため、古都の寺院に似合わない 新しいお堂が並んでいます。


033.JPG

大雲院のあるこの地は、元財閥大倉喜八郎男爵の別荘地で、
足腰が弱った氏が祇園を散歩しなくても見渡せるような高い建物を造り、
又、祇園祭の壮観さを常に披露できるようにと鉾先には金鶴が輝く
山鉾を模した高さ36mの祇園閣を建てたと云われています。

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残念ながら、完成を待たずに喜八郎氏は亡くなられましたが、
大雲院移転により、阿弥陀如来像を安置し、
内部壁面に敦煌の壁画が模写され、
その豪華な内観・外観・楼上からの絶景を堪能できました。

032.JPG

大雲院より ねねの道を進むと、豊臣秀吉没後に
その菩提を弔うために秀吉夫人の北政所が
慶長11年(1606)開創した寺―高台寺―があります。

この続きは 次回 ブログ
『ねね ゆかりの高台寺と 普茶料理一休庵』にて[soon]









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