SSブログ

円空終焉の地ー関・弥勒寺 [日本仏教史]

鵜飼いで知られた関市小瀬にある鮎之瀬橋を渡ると、円空ゆかりの地に入ります。
鮎之瀬橋8.JPG

鮎之瀬橋2.JPG


長良川沿いに円空入定塚があります。
円空入定塚082.JPG

藤棚に囲まれて石碑が建っています。
円空入定塚088-103.JPG

修験僧である円空には、五穀を断ち木の実を食べる木食行という修行の一環として、
住居を定めない、たくさんの造仏をする、和歌を作り詠むなどの修行を行い、
行の最終段階として入定(にゅうじょう)をすることとなります。

円空入定塚091.JPG

入定のために、洞戸村の高賀神社より弥勒寺に向かう途中、

美濃の前野村に立ち寄った際に、須田家に逗留したお礼に地蔵菩薩を彫りました。
その円空仏が美濃市前野の慧照院に残ります。
https://gifu-sengoku.blog.ss-blog.jp/2013-09-01
現在は、防犯のため強化ガラスのケースの中ですが、
その前にベルギーの円空展のために海を渡り、ポスターのメインを飾った
お姿が下の写真です。

円空独特の荒々しさはなく、悟りの境地に入った円空さん自身を思わせるかのような
穏やかな優しい微笑みをたたえられながら、首をかしげたお姿です。

DSC_0175 - コピー.JPG

入定は、穴を掘って鈴を鳴らしながら入りお経を唱え、鈴の音が止んだら入定が
かなったとされる、いわゆる、即身成仏です。
円空の引き墓は、弥勒寺跡の竹藪の中を通って進んだ、小高い場所にあります。

弥勒寺円空の墓6.JPG


円空は晩年に、荒廃していた7世紀後半美濃地方の豪族身毛津(むげつ)氏が
創建したといわれる弥勒寺を再興しました。

弥勒寺116.JPG

弥勒寺117.JPG

円空が終の棲家とした弥勒寺は、数百体の円空仏があったそうですが、
大正9年(1920)の火災で焼失し、現在は4体を残すのみだそうです。

円空ブームの際に建てられた本堂前には、円空仏のレプリカがお出迎え。
弥勒寺128.JPG

屋根の上にも円空仏!
弥勒寺133-182.JPG

本堂の中も、円空仏の愛好者が彫った円空仏が笑みをたたえながら並びます。
弥勒寺022.JPG

この一帯には弥勒寺官衙遺跡(みろくじかんがいせき)となっています。
役所の建物の跡である弥勒寺東遺跡)と弥勒寺西遺跡があり
弥勒寺官衙遺跡群として発掘調査がされています。

弥勒寺141官衛遺跡群104.JPG



弥勒寺東遺跡
弥勒寺134官衛遺跡群129.JPG


弥勒寺は、白鳳時代の寺院で、発掘により金堂を西、塔を東に配する
法起寺式伽藍配置の寺院であったことが確認されたそうです。
金堂、塔のほか講堂、南門、中門、掘立柱塀、回廊、井戸の跡が
発掘されています。

弥勒寺官衛遺跡群176.JPG

弥勒寺官衛遺跡群177.JPG

弥勒寺官衛遺跡群174.JPG




弥勒寺伽藍跡
弥勒寺官衛遺跡群169.JPG

井戸跡
弥勒寺官衛遺跡群175-050.JPG



円空館には、池尻の白山神社の16体の円空仏が常設展示されています。
白山信仰の中心となる御内神阿弥陀如来像、十一面観音像、御本地聖観音菩薩像、
文殊菩薩などで、天邪鬼を踏みしめた大きな聖観音菩薩像はとくに圧巻です。

そのほかにも、県内の円空仏が、入れ替えを行いながら展示され、
神明神社の円空自刻 像などもみられる時があります。


円空館004.JPG


円空館は、弥勒寺西遺跡に建てられ、遺跡をイメージしたおしゃれな外観です。

円空館006.JPG

円空自刻像を刻んだストラップと円空館のパンフレット
円空館255.JPG

円空館の西側・池尻のバス停を少し越えたあたり、
池尻山の西南山麓の小高い場所に古墳らしき姿がみえてきます。
池尻大塚古墳で、ムゲツ氏の墓と考えられています。


池尻大塚古墳236.JPG

一辺26mの方墳と見られ、石室が露出しています。

池尻大塚古墳206.JPG

古墳の横に、白山神社の鳥居が見えます。

白山神社002-202.JPG

円空堂があります。
円空館の円空仏は、ここ白山神社のものが多いようです。

白山神社010-214.JPG

サスペンスドラマに登場するような急階段を上って、本殿にお参りします。

白山神社021-225.JPG

白鳳時代の大寺院の跡と古代の遺跡、
長良川畔の美しい景色、晩春に咲き誇る藤の花、
円空さんが最期の地に選んだことが
なんとなく分かるような気がしました。








にほんブログ村





にほんブログ村





にほんブログ村





◎私の初めての著書が出ました。江戸時代の按摩術の秘技より編み出した
自分でコリや痛みを解消する特効法が満載です!

ぜひ、応援してください<(_ _)>




下の本のタイトルをクリックして頂くと、アマゾンページに飛べます。

指ではじくだけで肩の痛みが治る!―江戸の秘術から生まれた凄ワザ

指ではじくだけで肩の痛みが治る!―江戸の秘術から生まれた凄ワザ

  • 作者: 福冨 章
  • 出版社/メーカー: 自由国民社
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)





発売当初のアマゾンキャンペーンの特典動画はこちら↓








共通テーマ:旅行